江戸時代に岡崎藩の御用鋳物師であった安藤家の世業を継承してから今日まで、時代の移り変わりとともにその時代に必要とされた鋳物(※1)づくりに携わってまいりました。ここでは、その時代に弊社が行ってきた技術/製品をご紹介致します。
かつて、「三州ヤマサ」マークが入った服部の鋳鉄製大釜・中釜は、薄く均一に仕上がっていた事より「炊きムラが少なく早く沸く!」と醸造業や染物業を中心としたお客様に喜ばれ、運賃のかかる遠方も含め、全国的にご愛顧を頂いておりました。
鋳物を扱う金物屋さんも、「三州ヤマサ」「やま宋岡谷」の製品を扱う処は一流とされていました。現在もその足跡は、日本全国の老舗造り酒屋さんや醸造業者さんの歴史に刻まれています。造り酒屋さんや味噌屋さんで見慣れない大きな釜を見かけたら「ヤマサ」マークを探してみて下さい。
「ヤマサ」マーク
三州ヤマサの三州釜

弊社は、昭和54年以降、ステンレス素材の釜の生産に「スピニング」を導入しています。スピニングとは、従来、軟らかいアルミ板等を型に当てて回転させながら人力にて成形する加工法を機械化し、ステンレス板の成形も可能にした技術で、溶接の継ぎ目の無い美しい形状のステンレス釜の製造を実現したのです。弊社のガス回転釜や蒸気回転釜が回転体独特の美しい曲線を描き、耐久性に富んだものであるのは、このスピニング加工による貢献が大きいのだと言えましょう。
現在でも直径1メートルを超える大物のスピニング加工は珍しいため、ハイドロスピニングフォーマーの貴重な成功例として板金加工メーカー各社様からの見学依頼があり、ノウハウの公開を行なっています。
※1:鋳物(いもの)…加熱して溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出して作った金属製品のことを総称して鋳物と呼びます。
※2:鋳鉄(ちゅうてつ)…鉄にカーボンとシリコンを混ぜることで鉄に粘りを持たせ、加工しやすくした金属のことです。
ねずみ鋳鉄…片状黒鉛鋳鉄。黒鉛を含む鋳鉄で、破面が灰色、つまりネズミ色であったことからそう呼ばれています。