ボツリヌス菌とは?


【特徴】
ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性土壌菌で、熱に強い芽胞を形成します。(毒素型食中毒)特にA型菌の芽胞は100℃、6時間の加熱で初めて死滅します。
この菌による食中毒は、欧米では古くからハムなどによる「腸詰め中毒」として恐れられ、適切な治療を受けないと死亡率が30%以上といわれる恐ろしい食中毒です。
これは、この細菌が食品中など一定の発育条件(温度3.3℃、pH4.6以上で酸素がなく、水分や栄養分がある状態)が揃うと猛毒のボツリヌス毒素(神経毒)を作るからです。俗にこの毒素を25g集めると、地球上の人類を全て殺戮できると言われています。毒素は熱に弱く、80℃、30分または100℃、1~2分の加熱によって破壊されます。この毒素は現在知られているものでは最強の毒力があるといわれ、A~Fまでの型に分類されています。
通常酸素の無い状態になっている、ビン詰、缶詰、いずし、ハム・ソーセージなどの食品が原因となる食中毒が多くみられます。

【症状】
潜伏時間は8時間~36時間吐き気、おう吐や視力障害、言語障害、えん下困難(物を飲み込みづらくなる。)などの神経症状が現れるのが特徴で、重症例では呼吸まひにより死亡します。(致命率23%)

【予防法】
1.真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(酪酸臭)があるときには食べないこと。
2.ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、120℃4分間(あるいは100℃6時間)以上の加熱をしなければ完全に死滅しないこと。
従って、家庭で缶詰、真空パック、びん詰、「いずし」などをつくる場合は加熱殺菌の温度や保存の方法に十分注意しないと危険です。
3.容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)や大部分の缶詰は、120℃4分間以上の加熱が行われているので安全ですが、これとまぎわらしい形態の食品が流通しているので注意が必要です。
「食品を気密性のある容器包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌した(缶詰、瓶詰を除く。)」旨の記載がない食品は、表示で保存方法を確認し、適切な保存をすることと表示されている期限内に食べることが必要です。