感染症患者の使用した食器の処理はどうすればいいの?


●給食における消毒●
食事の衛生的品質を確保する責任の重い領域であり、食中毒などの予防の為に高度な衛生管理が求められています。

(1)食器の手による洗浄
①3槽シンクを利用します。
②第1槽の熱水は50~55℃を確保します。
③中性洗剤の濃度を規定どおりとします。
④第2槽は洗剤を除去する為、40℃以上の温水が継続的に補給され、オーバーフローしていることです。
⑤第3槽は最終消毒用として熱水が77℃以上に保持され、90秒以上浸漬します。

(2)食器の機械洗浄
①洗浄槽内は最低60℃を維持し、最終リンス温度は、80~90℃とします。
②コンベア型では洗浄速度を正確に保持します。
③給湯ノズルの汚染に注意します。

(3)配膳用カートの洗浄消毒
カートは院内の汚染区域を通過する可能性があり、常に清潔に管理しなければなりません。
カートの洗浄消毒は配膳の直前に行い、両性界面活性剤や第四級アンモニウム塩を使用して清拭消毒します。
保温カートなどは複雑な電気系統があり、容易に洗浄できないため、手による清拭が主体となります。
また、衛生害虫(ゴキブリ等)の生息場所になりやすいので注意します。

(4)厨房設備の消毒
鍋、釜、包丁などのうち加熱可能なものは、80℃以上で5分間以上加熱することにより病原微生物を死滅させることができます。
テーブルや棚は両性界面活性剤、第四級アンモニウム塩を使用して清拭消毒を行います。まな板やふきんは微生物汚染を受けやすく、食中毒の感染媒介の一つとなります。まな板は洗剤で洗浄した後に熱水消毒 または500ppm次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、十分に水洗いします。ふきんは生乾き状態では細菌が急速に増殖するので、 常に乾燥に心がけます。消毒が必要な場合は、熱水消毒が効果的です。
厨房の床は水濡れ状態になっている事が多く、床面の汚染度も高く不衛生な状況であるため、清掃を確実に行って乾燥に心がけます。 床や排水溝からは感染しない為、これらの無菌化は期待しなくても良いです。

●消毒法●
器械、器具等の消毒は、使用後すみやかに流水で十分に洗浄します。消毒法としても最も信頼性の高い方法は加熱滅菌であり、 薬物消毒は加熱滅菌の出来ない場合に用います。加熱滅菌、薬物消毒のいずれも不可能な場合は、更に丹念に流水により洗浄すれば、 汚染したHBVおよびHCVの感染性をより完全に除去する事が出来ます。これは、肝炎ウイルスに限らず、ウイルスで汚染された時の最も基本的な処置です。

(1)加熱熱菌 流水により十分に洗浄したのち、一般に病原性微生物の消毒法として用いられている次の方法により完全に滅菌されます。
①オートクレーブ消毒
②乾熱滅菌
③煮沸消毒(15分以上)

(2)薬物消毒
薬物消毒のうち、HBVおよびHCVに対しての疫学的検討から有効性が確認され、また最も広く用いられているものは塩素系消毒剤です。
しかし、金属素材に対しては、本剤は腐触作用がありますので、非塩素系消毒剤を用います。なお、消毒する対象物が蛋白質でおおわれている場合には、 薬物により蛋白質が凝固し薬物の効果が不十分となりやすいので、作用時間を長くする事が必要です。 いずれにしても、使用後すみやかに十分に洗浄した後に、薬物消毒する事が望ましいです。

1.塩素系消毒剤
次亜塩素酸剤(注)
有効塩素濃度 1,000ppm
消毒時間 1時間

2.非塩素系消毒剤
(イ)2%グルタール・アルデヒド液
(ロ)エチレン・オキサイドガス
(ハ)ホルム・アルデヒド(ホルマリン)ガス