緑膿菌とは?


緑膿菌はグラム陰性桿菌で偏性好気性で芽胞は形成しません。大きさは0.5-0.8×1.0-2.0μmで、多くの培地によく発育します。一本の鞭毛をもち運動性があります。
コラゲナーゼ,エステラーゼなどのタンパク分解酵素や,溶血素,致死毒,ジフテリア毒素とおなじ作用をもつ外毒素A(exotoxin A)、組織を破壊するフォスフォリパーゼなど病原性と関係するタンパク毒素や内毒素をつくり病状を悪化させると考えられています。
しかし、緑膿菌は健康なヒトで感染を受けることはめったにありません。せいぜい,化膿性レンサ球菌などの化膿症でしばしば混合感染または二次感染をおこす程度です。この場合膿や分泌物が緑色を帯びていることから、緑膿菌と呼ばれていますが、このように緑色の膿がでているような場合は緑膿菌の感染を疑うことができます。
緑膿菌はそれ自体では病原性は低いのですが、多くの場合各種慢性疾患、高齢、放射線治療、薬物投与などで感染抵抗が減弱した宿主に感染することがあり、日和見感染菌のひとつといえます。とくに呼吸器の緑膿菌感染は産生される毒素により肺組織が破壊され重篤化しやすいとされています。緑膿菌は健康な人では好中球によって殺菌されることが多いのですが、気管支肺炎などで好中球による攻撃が十分に望めない患者で感染することが多くあります。
また、火傷部位に起こる感染、褥瘡部感染、手術後に感染しやすい細菌としても知られており、これも、火傷における火傷部位の抵抗性が弱まっているためと考えられます。火傷部位での泡沫感染では重篤な症状になることがしばしばあります。また尿道感染の原因菌であることがしばしばあり、新生児、高齢者では尿路感染症を起します。その他、中耳炎、髄膜炎や敗血症など全身感染をおこすことがしばしばあり、緑膿菌敗血症では致命率は80%以上といわれています。