ウエルシュ菌とは?


【特徴】
人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布し、ボツリヌス菌と同じ酸素を嫌う嫌気性芽胞形成菌です。健康な人の便からも検出され、その保菌率は食生活や生活環境によって異なり、また年齢による差も認められ、青壮年よりも高齢者のほうが高い傾向があります(成人0.7%、幼児0.5%)。
また、家畜(牛、豚、ニワトリ)などの糞便や魚からも本菌は検出される。食品では、特に食肉(牛、豚、鶏肉など)の汚染が高いようです。
この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温でも死滅せず、生き残ります。したがって、食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅してもウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ります。毒素自体は60℃、10分間の加熱によって失活します。
また、食品の中心部は酸素の無い状態になり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい状態になり、食品の温度が発育に適した温度まで下がると(至適温度は43~47℃)発芽して急速に増殖を始めます。食品の中で大量に増殖したウェルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン(毒素)が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。
一度に大量の食事を調理した給食施設などで発生することから“給食病”の異名もあり、患者数の多い大規模食中毒事件を起こす特徴があります。

【症状】
潜伏時間は6時間~18時間ほとんどが12時間以内に発症します。腹痛、下痢が主で、特に下腹部がはることが多く、症状としては軽いほうです。

【予防法】
1.前日調理は避け、加熱調理したものはなるべく早く食べること。
2.一度に大量の食品を加熱調理したときは、本菌の発育しやすい温度を長く保たないように注意すること。
3.やむをえず保管するときは、小分けしてから急激に冷却すること。